ぎっくり腰(急性腰痛)

ぎっくり腰は大きく分けて3種類に分類されます。

ギックリ腰とは、腰部の筋肉や関節、椎間板などが急に損傷または炎症を起こし、激しい痛みが発生する状態を指します。その原因は主に以下の三つに大別できます。

 

①筋肉が原因のギックリ腰

ヨーロッパでは、魔女の一撃と呼ばれ、一般的によく知られるギックリ腰です。主に脊柱起立筋、腰方形筋などが原因となることが多く、筋の異常状態により、過剰な反射を引き起こし、急激な筋肉の痙攣を起こします。その際に、筋繊維を損傷し、損傷した刺激により、さらなる反射を引き起こす状態となります。

 

関節が原因のギックリ腰

腰部の関節、特に仙腸関節や椎間関節が過度にストレスを受けると、炎症を起こしギックリ腰を引き起こすことがあります。この場合、痛みは通常、腰部の一部に局在します。

 

椎間板が原因のギックリ腰

腰部の椎間板は、脊椎の間に位置し、衝撃吸収の役割を果たしています。しかし、椎間板が老化したり、急な動きや負荷によって損傷を受けると、その結果としてギックリ腰が発生することがあります。この種のギックリ腰は、しばしば激しい痛みとともに神経痛(脚への放射痛)を引き起こします。

CAUSE

原因は「代償動作」による疲労の蓄積

原因は「代償動作」による疲労の蓄積

ぎっくり腰の原因は多岐に渡りますが、その中でも特に注意すべきは「代償動作」や「体の動きのエラー」、「バランスの偏り」などです。

 

  1. ・代償動作
    体の不安定性やコントロール不足、痛みや怪我により体の動作がうまくいかず、他の部分がその機能を補う動きのことを指します。
    代償動作は本来の動きではないため、負担が大きくさらなる痛みや怪我の原因となります。たとえば、膝が痛いときに無意識に腰を使って動くようになると、本来腰が負うべきでない負担がかかり、ギックリ腰を引き起こす可能性があります。

 

・体の動きのエラー
これは、例えば重いものを持ち上げるときのフォームが不適切であったり、運動や日常生活での動きが不自然であったりすることを指します。これらの動きが続くと、腰に過度の負荷がかかり、筋肉、関節、椎間板などが損傷しやすくなり、ギックリ腰を引き起こす可能性があります。

 

・バランスの偏り
これは、体の筋力バランスが崩れている状態を指します。例えば、背中の筋肉が発達している一方で腹部の筋肉が弱いと、体は自然と前傾姿勢をとりがちになります。これにより腰に余計なストレスがかかり、ギックリ腰を引き起こす可能性があります。

 

これらの問題を避けるためには、日常生活での正しい姿勢や動き方の習得、全体的な筋力バランスの維持、定期的なストレッチングやエクササイズなどが重要となります。

関節が原因のギックリ腰(椎間関節性腰痛)

関節が原因のギックリ腰(椎間関節性腰痛)

「椎間関節」は、腰椎の後部に位置する関節で、私たちが前後左右に動かすときには大きな役割を果たしています。これが何らかの原因で炎症を起こしたり、損傷したりすると、椎間関節性腰痛、通常は「ギックリ腰」と呼ばれる状態になります。

 

椎間関節を痛める原因>

 

背骨を支える筋肉の不足
腰部の筋肉が弱いと、椎間関節に過度な負荷がかかります。これは、立っている間や歩くとき、特に重いものを持ち上げるときなどに顕著です。

 

体の動きの悪さ
不適切な体の動きや、突然のぎこちない動きは、椎間関節に不必要なストレスを加え、痛みを引き起こす可能性があります。

 

椎間関節が原因のギックリ腰は、しばしば動けないほどの激しい痛みを伴うことは少ないですが、治療には時間がかかる傾向にあります。これは、椎間関節の炎症や損傷が治癒するのに時間が必要だからです。さらに、適切なリハビリテーションが行われないと、再発のリスクも高まります。したがって、筋力強化や適切な体の動きの習得など、全体的なリハビリテーションが重要となります。

椎間板が原因のギックリ腰

椎間板が原因のギックリ腰

背骨、具体的には脊椎の間には「椎間板」という特別なクッション材があります。これは、脊椎同士が直接ぶつからないようにする役割を果たし、私たちが自由に動くことを可能にしています。椎間板は、水分を豊富に含んだゲル状の中心部と、その周りを囲む繊維質のリングで構成されています。

 

しかし、この椎間板が何らかの原因で損傷を受けたり、老化によりその構造が変性したりすると、急激な痛みが生じることがあります。これは「椎間板ヘルニア」や「椎間板変性症」などと呼ばれる状態で、中心部のゲル状物質がリングを突き破って周囲の神経に圧迫を加えることにより痛みが生じます。

 

この痛みは非常に強く、また治療が難しいために時間がかかることが特徴です。そのため、椎間板が原因で痛みが生じている可能性がある場合は、MRIやCTスキャンなどの精密検査を行い、正確な診断と適切な治療方針を立てることが必要となります。

METHOD

痛みの改善と代償動作の改善方法

「太平二丁目接骨院」では、体の痛みや不調の原因として、「代償動作」に注目しています。これは、体のバランスが崩れた時に、身体が無意識に行ってしまう動作のことを指します。この結果、疲労が溜まり、痛みや不調が出てきます。

 

例えば、キーボードを打つときに手首が正しく位置づけられていないと感じると、無意識のうちに手首の筋肉に過度の緊張を与える「代償動作」が起こります。これが長期間続くと、痛みや障害を引き起こす可能性があります。

また、怪我の履歴が脳に残っていると、それが痛みの不安を生じさせ、「体の癖」となります。

では、この「体の癖」をどのようにクリアにし、不調のない体にするのでしょうか?そのためには次の2つのステップが必要です。

 

①体のセンサー)(体性感覚)を再起動させる:
人間の体には視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚といったセンサーが備わっております。これらのセンサーが正しく機能していることで、私たちは安全な環境にいることを無意識に感じ取ります。特に触覚は、物を持つときのように筋肉の調節に大きく関わります。しかし、触覚にエラーが生じると、筋肉に過度の緊張が生じ、代償動作を引き起こします。専門的なマッサージや運動、ストレッチを行い、触覚情報の機能を改善して再起動し、「体の癖」をリセットします。

 

②体の土台の再構築:
 人間の体は足、骨盤、背骨の3つの土台から成り立っています。これらが連携し、その土台が無理な筋力で無理やり支えられるのではなく、本来の人間の持つ構造で正しく支えられる必要があります。特に呼吸によりIAP(腹腔内圧)を高めて、背骨を安定させる事で体全体のバランスが保て、体は正しく機能します。そのため、体の土台が正しく機能し、適切な位置関係を保つことが重要です。以上のように、「太平二丁目接骨院」では、「代償動作」の解消と、体のセンサーの再起動、体の土台の再構築を通じて、痛みや不調のない体づくりを目指しています。

 

センサーの再起動というのは、私たちの五感が情報を正確に脳に伝えることができるようにすることを指します。触覚に問題があると、私たちの体はどのように動くべきか、どの程度力を使うべきかといった情報を誤って解釈する可能性があります。これは、体の筋肉に無駄な緊張を引き起こし、それが代償動作を生む可能性があります。そのため、専門家の手によるマッサージや適切な運動、ストレッチングを行うことで、触覚の情報処理を改善し、それにより「体の癖」をリセットすることを目指します。

 

次に、体の土台の再構築とは、足、骨盤、背骨の3つの主要な支持構造が適切に機能するようにすることを指します。これらの部分が正しく機能しないと、体全体のバランスが崩れ、筋肉や関節に不必要な負荷がかかる可能性があります。したがって、これらの土台が適切な位置にあり、正しく動作するようにすることで、体全体のバランスと機能性を維持することが可能になります。

 

このように、「太平二丁目接骨院」では、体の痛みや不調の原因を取り除き、体の健康を回復するために、センサーの再起動と土台の再構築の2つの主要なアプローチを用いています。これにより、患者さん一人ひとりの体の特性に合わせた、パーソナライズされた治療を提供することを目指しています。

 

 

受傷初期(~1週)

受傷初期(~1週)

・MATRIX sooma

この治療法は、ちょっとした電流を使って体を治す方法だと考えてみてください。ちょうど、電池が時計を動かすように、この治療法は微弱な電流を使って体の修復を助けます。

体が傷つくと、自然に「修復のための電流」が流れます。これはちょうど、自転車のタイヤがパンクしたとき、パンク修理キットを使って穴を塞ぐようなものです。電気刺激療法は、この自然な「修復のための電流」を強化し、傷ついた部分をより早く修復するのを助けます。

これは、筋肉が痛んだり、神経が傷ついたり、関節が腫れたりしたときに使われます。微弱な電流は、アイシングで痛みを和らげるように、血液の流れを良くし、筋肉を動かすのを助けて、傷ついた部分が早く治るのを助けます。

ただし、この治療法は、ちょうど運転免許が必要なように、専門家による適切な指導が必要です。また、心臓のペースメーカーを持つ人や、妊娠中の人など、特定の状況の人々には使えない場合があります。これは、まるで一部の人が特定の食品にアレルギーを持つようなものです。だから、専門家のアドバイスを受けて、安全に治療を進めることが重要です。

受傷中期(2~3週)

受傷中期(2~3週)

・高周波治療器

 

高周波治療器は、体の中に微かな電気を送り込み、筋肉や関節がゆっくりと温まるように働きかけます。

例えば、寒い日に凍えているとき、暖房が部屋を暖めると、体がほぐれてリラックスする感じがしますよね。高周波治療器も同じように、筋肉や関節を「内側から」温めてくれるのです。

この温かさが体の中に広がると、血液がうまく流れるようになります。それはまるで、道路に詰まった車(血液)が、道が広がったときのようにスムーズに動き始めるようなものです。血液がうまく流れると、筋肉や関節の痛みが和らぎ、体が楽に動かせるようになります。

受傷中期(2~3週)

受傷中期(2~3週)

・NMT(ニューロマスキュラ―トリートメント)

筋肉や関節が強張ると、日常生活の動作に影響を及ぼし、痛みや不快感を引き起こすことがあります。これは、例えば長時間同じ姿勢を続けたり、運動不足により筋力が低下したりした場合によく見られます。そのため、強張った筋肉や関節を緩め、動作の改善を促す治療法は非常に重要です。

 

ここで、「刺激の少ない施術」とは、体への負担を最小限に抑えながら効果的に筋肉や関節の強張りを緩和する手法を指します。これには、整体(柔らかい組織への手技)や筋膜リリース、ストレッチングなどの方法が含まれます。

 

・整体

手または特殊な道具を使って筋肉やその他の柔らかい組織に直接圧力をかけ、緊張を和らげる技法です。これは、組織の柔軟性を高め、血流を改善し、筋肉の緊張を解放します。

 

・筋膜リリース

これは、筋膜(筋肉を覆う組織)に対するソフトな手技で、筋肉の張りや関節の可動性を改善します。これは、筋膜が硬くなったり縮んだりすると、筋肉の動きが制限されるためです。

 

・ストレッチ

これは、筋肉をゆっくりと伸ばすことで、筋肉の長さを増やし、柔軟性を向上させる活動です。適切なストレッチングは、筋肉の緊張を和らげ、関節の可動範囲を改善し、動作の改善を促します。

受傷後期(3~4週)

受傷後期(3~4週)

・機能回復リハビリテーション

パワープレート、ストレッチマシン、感覚マットやDNSトレーニング(赤ちゃんトレーニング)などで体の機能を土台から回復させていきます。

 

パワープレートは全身の振動を利用して筋肉に刺激を与え、動的ストレッチは運動を通じて筋肉を柔軟にし、バランスマットは体の安定性を高めるエクササイズ器具で、これらを組み合わせたトレーニングによって、怪我や病気により落ちてしまった体の機能の回復を促すことができます。

FLOW

カウンセリング

カウンセリング

まず始めに、患者さんの症状や生活習慣、運動習慣などを詳しく聞きます。これにより、現在の体の状態や痛みの原因、可能性のある問題を理解することができます。この段階では、患者さんが日常で感じている痛みや不快感について具体的に説明していただきます。

動作確認

動作確認

カウンセリングの後は、患者さんの動きを観察します。立ち姿、歩き方、座り方など日常の動きをチェックし、体のどの部分に問題があるのか、どのように動いているのかを確認します。特に腰痛の場合は、骨盤の位置や姿勢の傾きなど、体のバランスを詳しく見ます。

施術

施術

動作確認の結果を元に、個々の患者さんに適した施術を行います。筋肉の緊張を和らげるマッサージや、関節の位置を正す整体治療などが含まれます。また、痛みの原因となっている部位の触覚情報を改善し、体の「癖」をリセットすることを目指します。

動作指導

動作指導

施術の後は、患者さんが日常生活で正しい動きを保つための指導を行います。これには、立ち方や歩き方、座り方の改善方法、または特定の運動やストレッチなどが含まれます。施設内の芝の上で実際の動きを確認し、必要な調整を行います。

プラン設計

プラン設計

その後、個々の患者さんの状態や目標に合わせた治療計画を設計します。これは、施術の回数や頻度、自宅でのエクササイズ、さらなる指導や治療が必要な場合のスケジュールなどを含みます。

セルフケア指導

セルフケア指導

最後に、患者さんが自宅で行うべきセルフケアの指導を行います。これには、日常生活での姿勢の注意点、ストレッチ方法、特定のエクササイズなどが含まれます。また、生活習慣の改善についてもアドバイスします。例えば、長時間座って作業をする場合の間隔的な休憩の取り方や、寝る前のリラクゼーション方法などです。この自己ケアが、腰痛の再発防止や痛みの管理に大いに役立ちます。

この記事を書いた人

オーナー / 柔道整復師 大竹 祐 / オオタケ ユウ

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資格
柔道整復師、NSCA パーソナルトレーナー、IEMA テーピングトレーナー、IEMA 心肺蘇生法
経歴
東京オリンピック・スケートボード競技にトレーナーとして帯同。
趣味
サッカー、フットサル、ブラジリアン柔術、自転車、スノーボード、スケートボード、読書、映画鑑賞